第3章 印
別の日。
「あ、ゆかりちゃん。」
「悠太くん。」
同じフロアのマンションの通路で悠太くんに遭遇した。
「体調大丈夫?目が悪いんだって?てかさ、聞いたよ!記憶戻ったんだね。嬉しいよ!でも、ちょっとさみしい。」
「?」
悠太くんがこっちに近づいてきて、わたしの背中が壁に当たった。これって、壁ドンってやつ…?
「記憶が戻らなかったら、僕にもチャンスあったのになぁ…って。ごうちん、いいなぁ。もうたくさんゆかりちゃんのこと、食べちゃったんでしょ……?」
「んっ…悠太くん、」
耳元で囁かれる。
「耳、弱いの?かーわいい。」
耳を齧られた。
「や、あっ!」
「このまま連れて帰っちゃおっかな…」
悠太くんの吐息がかかる。
「ゆかり…」
「やめっ…」
「阿ー修ー!!」
「あっ、見つかっちゃった☆」
ずるずると力が抜けて、床に座り込んでしまった。
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「あんのやろ……」
「ごっ、剛士くん。ごめんなさい…」
チラッと見上げれば、呆れた顔で、優しい眼差し。
怒ってないみたい。
「お前は俺のだ…」
「ん…はっ…ふぁ」
愛に溢れたキス。
独占欲?剛士くん、かわいいな。
あれ?押し倒されてる。
「一緒にライブDVDみるんじゃ?」
「辞めだ。先にお前にする。」
先に私って何?!
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