【金城剛士】超感でぃすてにー【B-project】
第2章 夏
「リュウ。このひと、俺にちょうだい。」
そう言って私の腕を引っ張るのは健十くん。なんて甘いセリフなんだ。シラフなのに酔いそう。いい意味で。
「ケンケン〜ずるい〜ぼくも〜」
いつの間にか後ろから抱きしめられている健十くんに悠太くんがタックル。健十くんが「前髪が!」となってる間に悠太くんがわたしをハグ。
「えへへ〜ゆかりちゃんあったかい…」
「悠太。ゆかりちゃん困ってるよ。」
確かに、みんなの愛は嬉しいんだけど、暑いし、目まぐるしくて、クラクラしちゃった。
「ありがとう、和南くん。」
さりげなく私の腕をとる和南くん。ん?和南くん?
「あーっ。リーダーがいいとこ持ってった。」
「俺はまだ触ってない…」
私に触るとご利益あるの?輝くんと百くん。
徐ろに背後から肩を掴まれる。
「捕まえた。あんたって、ふわふわしてる」
「ちゃんと僕達に捕まっててよー?」
弥勒くんと明謙くん。
私の視線はドアの入口へ。
「車出してくれてありがとう。タツくん」
「あぁ。」
タツくんはぶっきらぼうだけど優しい。
あれ?一人足りない。
「剛士くんは?」
「ごうちんなら、曲を作るってスタジオに篭ってるよー!絶対邪魔すんな!って怒られちゃった。」
「そっか…残念だけど、お仕事に関わることだし、邪魔しちゃいけないよね。」
「よし!納涼会始めるぞー!」
タツくんの号令で納涼会が始まった。
さて、みんなが羽目を外しすぎないように、しっかり見守ろう。