【金城剛士】超感でぃすてにー【B-project】
第5章 未来
河川敷を駆け抜けて、あのマンションへ向かうと、そこには売り物件の看板。
思い出も10年経てば一昔か……ガックリしてとぼとぼと帰路につく。
駅前の電光掲示板で流れる音楽。
「超感……ディスティニー。THRIVE……」
「剛士くん……悠太くん、健十くん。」
バンビのみんなは、あの有名なB-projectの卵だったんだ。
わたし、あんまりテレビを見ないから、顔を知らなかったけど、みんなビッグアイドルになれたんだ。なんだか誇らしいや……
「ゆかり?」
いけない、ぼーっとしていた。名前を呼ばれて振り向くと、あの燃える赤い瞳。
「剛士くん……」
10年後の剛士くんは、オーラが増して、こっちが倒れそうだった。
それに、背も伸びた。あのマンションで暮らしていた時は、18歳だもんね。いまは、28歳か。わたしは変わらず25歳だなんて、おかしいな。
なんてことを考えていると、掻き抱かれるように腕の中に収まった。
「10年待った。やっと帰ってきたんだな……」
トップアイドルがこんな駅前でいいの?と思ったのも束の間、剛士くんの肩が震えていて、私の肩が湿るのを感じた。
「剛士くん……ただいま。」
わたしも涙を浮かべ、再会を喜びあった。
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ここまで読んでくださりありがとうございました。
続編や番外編書くつもりなのでまたよろしくお願いします。