ここは私達の世界です【HUNTER×HUNTER】続番外編
第15章 言い伝え……?
埋まり具合からかなりの大盛況な様でお仲間のキャンピングカーもチラホラと見える駐車場で
私は今以上の増量を許してなるものか、と静かに震えた
実は旅行を前にプチダイエットを敢行した私は太る事も予想の範囲内であった
何てったって日本中至るところに御当地グルメが存在するのだからせっかく来た記念に………なんて食べている自分の姿は簡単に想像出来た
更に燃費の良いマイボディーがカロリーを摂取して丸くなる事等、火を見るより明らか
つまり、ちょっと余裕を持って痩せておいた寸法である
……………しかし…………彼に指摘されるくらいとなると………怖い怖い怖い怖い!!!!!
脳裏に蘇るスパルタダイエットの日々…………
彼に木刀でお尻をひっぱたかれるのは辛かった
「………あの………出発の時からどれくらい太った感じに見えます……?」
ゴクリと唾を飲み込んで恐る恐る尋ねた私に彼は淡々と
「恐らく2.3~4キロくらいかな、別に気にする程でも無いけど。」
見た目だけで言い当てるには精密過ぎてゾッとする数字を口にした
そして予想よりも太っていた
プチダイエットで保険を掛けた2キロを越えていた
今から食事をしようという時に、なんて残酷な告知をするのだろう……
私も子持ち鮎にしようかな♪なんて呑気に考えていたのに子持ちな分通常の鮎よりカロリーが高いじゃないか……ッ
「…………イルミさんも太ってたりしませんか……?」
これは別に当て付け的な感情から出た台詞では無い
誰もが羨むスリム&マッチョな彼
しかし、たった1キロ違うだけでパンチ力や身のこなしが変わるのだ、と話していた彼もまた自身のベストバランスを保つ努力を怠らない人だからだった
私のスリムでありたい!と言うのとは違ってかなりシビアな目的だが、内容こそ違えど体重変化は無いに越した事はないだろう
じっと見上げる私の眼差しに彼の気だるげな視線が交わる
「体重や筋肉量に変化は無いよ、一般人と同じにしないで。」
「……………ですよね~!」
…………………………ですよね~!
世の中は不公平だ