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ここは私達の世界です【HUNTER×HUNTER】続番外編

第11章 気まま旅の始まり








中を自由に見れる訳では無く忍者の格好をした係のお姉さんが屋敷内を案内してくれるのだが

そのお話は実に興味深いもので

更にこの甲賀屋敷は実在の忍者の子孫が住んでいた旧家屋だと言うのだから驚いてしまった


忍者にとって自分が忍であると他者に知られることは命を落としかねない

そこで、普通の家で平凡に住まうフリをする為に様々なトラップや仕掛けが隠された忍び屋敷が完成したそうだ



「成る程ね。」


なんて感心した風に呟いた彼は私よりも数倍も真剣である


一見何の変哲もない家に見えるけれどお姉さんの説明と共に様々な仕掛けが展開されて酷く感激する私の隣で彼はまるで視察する様に繁々と眺めていた


万一敵が奇襲した場合の武器置き場や秘密の抜け道、隠し戸等様々なアイディアに満ちた屋敷は子供から大人まで純粋に楽しいものなのだったのだが



「………他にも何か隠しているんだよ。」



なんて耳元で彼が囁くものだから私はそれらしく頷いたまま俯いて込み上げる笑みに肩を震わせたのだった



__________"




忍○村は実に楽しい所だった


家族連れは勿論だが大人でも初心に返ったつもりで楽しめるテーマパーク

私達はあの後資料館や名もなき忍者達を祀る神社等を巡り別料金で手裏剣を投げた

勿論私はからっきし駄目だったが絶対に百発百中であろう彼は「実力が露見してしまうから」と手裏剣を頑なに投げなかった

そしてそんな様子で終始警戒モードの彼だったがお土産ではキラキラの瞳を覗かせてしっかりと手裏剣を購入していた



「手裏剣、良かったですね!」


「うん。」



ハンドルを握りながらもコクリと頷く仕草がどこかあどけなく胸がキュンとする



暗殺者故の見解はきっと彼の世界なら正解なのだろうけど私の世界では途端に可愛い姿になってしまうなんて


ピリピリとした圧をテーマパークで放つアンバランスさが何とも………


所変われば………ってやつだろうか


不思議な感慨に浸りながらも私は次の目的地まで短い微睡みの中を漂った







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