ここは私達の世界です【HUNTER×HUNTER】続番外編
第11章 気まま旅の始まり
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私達は次なる観光地、甲賀の里忍○村にやって来ていた
ここを観光すると決めた時彼は大層あどけない瞳をしていたが今は全く違った印象を見せている
てっきり好奇心にキラキラと輝く瞳を見られると思っていた私にとって彼が見せた予想外の反応は笑い声を上げない様に必死にさせるものだった
……………彼は忍者の里を前に少々ピリ付いている
彼は以前侍にはどこで会えるのか、なんて無邪気な質問を私にした事があった
すなわち忍者の存在を実在の物として捉えているのだ
実際彼の世界には忍者を名乗るハ○ゾーも居るので無理も無い反応だが所謂テーマパークを前に僅かながら警戒を覗かせる姿は可愛い他無い
入園料を支払いながらも受付の人を見据える横顔には怪しむ様な鋭い眼差しが交ざっている
「イルミさん………」
無言のままの彼と少し入り口を進んだ所で私は静かに唇を開いた
「何。」
未だ警戒した様子を見せる彼に吹き出しそうになりながらもやんわりと確認をしてみる事にした
「ここ、テーマパークですからね……?」
「うん。」
「前にも言いましたけど、ほんまの忍者がいてるんじゃなくて資料館的な……」
「わかってるよ。」
…………そう、私は無邪気な彼をがっかりさせない為に事前にこの場所について説明をしていた
本物の忍者が住まう隠れ里ではなく、あくまでテーマパーク
忍者は別にいて忍術も今に伝わっているけれどここは歴史を今に伝える施設だと
本当に理解している様には見えない凛と冷たい端正な横顔を盗み見れば途端に視線が合った
上品な唇が普段より少し低い声を吐く
「本当に一人として本物のニンジャがいないと思う?」