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ここは私達の世界です【HUNTER×HUNTER】続番外編

第10章 切実に願う話








夕暮れの空にひぐらしの鳴き声がほんのりと切なさを添える9月のある日



私達はキャンピングカーの旅に向けて荷支度を整えていた

何と言っても普通車での旅とは違い調味料やちょっとしたキッチン用品、そして衣服の数まで違って来るものだから大変だ


パジャマだって歯ブラシだって、はたまた布団まで……軽い引っ越しを前にした様に部屋の中は物で溢れている

結構な重労働ではあるものの楽しい気持ちでいられるのは愛しの彼とのハネムーンという特別感からだろう


この日の為にダブルの布団やコンパクトな調味料等色々と買い揃えて待ち構えていたのだし

私のテンションが低い筈等無い



最近流行っているらしき音楽を口ずさみながら大きな旅行鞄に荷物を詰めて

残すところ第二の我が家となる車で整頓するだけ……


淡々と作業をこなす彼をチラリチラリと盗み見ながら私は満面の笑みを浮かべていた




「楽しみですねー!!!!」


「……んー。」



彼は作業に集中している様で間延びした声をポツリと発する


私はそれにすらも胸が踊って購入したてピカピカの旅行雑誌るる○に手を伸ばした

行程や行き先は運転手である彼に任せた私は選別された地域の中で目ぼしい観光地に付箋を張った


どこもかしこも楽しそうだと胸弾ませていたそんな時




私の座っている直ぐ間近、ちゃぶ台の陰に気配を感じ


本能的に視線を送って天高く跳んだ




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