ここは私達の世界です【HUNTER×HUNTER】続番外編
第9章 夏の夜の話
端正で中性的な美しい顔は普段の無表情を忘れて淫靡で妖艶な捕食者の顔を覗かせる
彼も男性なのだと強く実感させる瞳に射抜かれてしまえば心臓は止めどなく加速して
荒く呼吸を乱す私を彼は再びぎゅっと抱き締めた
途端に激しく最奥を突き上げられてゾクゾクと全身を巡る快楽に悲鳴にも似た声が無意識に唇から飛び出す
激しく求める様に覆い被されて彼に閉じ込められた私は彼の衝動を一身に受けて容易く絶頂を迎える
以前の私達はこの世界で一線を越える事は無かった
彼がこういう夜にどんな顔をするかなんて勿論知らなくて
麗しい彼に片想いするだけで精一杯で
一緒に食事して交代で入浴して2つ敷いた布団で眠って……
大好きで大好きで仕方ないけれど何も起きる筈が無いと思っていたこの部屋で私は今彼と結ばれているのだ
普段生活しているこのスペースで彼の横顔から何を考えているのか見詰めていたこの部屋で
世界中で誰よりも愛しくてこの胸を焦がす大好きな彼に………
見慣れた室内の景色が彼の旋律に揺れて彼の肩に顔を埋めれば男性的な香りが包み込む
汗ばんだ素肌がぶつかる淫靡な音と激し過ぎる刺激に彼にぎゅっと抱き付けば彼は応える様に一層強く私を抱き締めた
愛しい彼と一番近付いていられる今この時私は途方も無い幸福に包まれて彼の愛に触れている
いつも使っている寝具の上で彼の荒い呼吸が耳を支配する
攻め立てる様に押し寄せる甘美な快感に思考まで手放して激しい浮遊感に意識まで手放してしまいそうになった
「んあぁあっ……!イル、ミさぁっ……ん!」
「………沙夜子……はぁ……」
ビクビクと跳ねる腰は彼に達した事を知らせぐったりと力を無くしても尚止まぬ旋律は更なる快感を与える