ここは私達の世界です【HUNTER×HUNTER】続番外編
第8章 車を見に行く話
その様子に店員さんが少し慌てた様子で次を勧めるので私は激しい尿意を伝えてお手洗いへ向かった
激しい尿意とは言っても「お手洗い借りて良いですか?ちょっと待っててください」と伝えたのだが
私は個室にて色々と思考を巡らせていた
価格についてはどうでもいいと事もなさそうに言った彼だが私達がしたい旅はガチガチのキャンパーみたいな事では無かった
どれくらいの期間と決める事も無く日本各地を放浪し、時にはホテルや旅館に宿泊しながらも気ままな旅
それだけで十分贅沢なものだけど高級な旅館やホテルばかりを転々とするのでは無く、車中泊を中心にしたまったり旅行にしたいと思っている
途中アパートに帰ったりだとか、本当にスケジュールの無い旅だが本格的なキャンピングカーで行くのは純粋に私の思い描く想像と違っていたのだ
それを店員さんに伝えるべきだと決めて案内して貰っていた車へ戻った筈なのだが………
「…………あれ…………?」
そこに二人の姿は無く私は辺りを見渡した
車しか目印は無いのだが何分あまり詳しく無いばかりに間違えた場所に来てしまったのかもしれない
私は少々焦りながらも敷地内の何処かにいる筈だから、と然程急いでいなかったのだが
数分歩いた所で見掛けた彼の姿に全力疾走で駆け寄り彼の腕をガッシリ掴んだ
「ちょっ………はぁはぁ何してるん……ですか!」
私の身体には急激な運動直後の脈とは違う嫌な高鳴りが響く
そんな私に「あ、お帰り。」なんてあっけらかんと言った彼は続けて
「今これ見てたんだけどまぁまぁいいよ。」
なんて口元に手を遣りながら単調に言った