ここは私達の世界です【HUNTER×HUNTER】続番外編
第1章 帰路に付く
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背中からカラカラと親方の回し車の音が鳴る
私は緊張する様な安心する様な不思議な感慨深さを抱えたままインターホンに手を伸ばした
新幹線を降りてから地下鉄に乗り換えて良く慣れ親しんだ土地に降り立った私達は真っ先に実家へとやって来たのだ
私が生まれ育った家は世界中にこの一軒
ドキドキと再会に弾む胸をそのままにインターホンを鳴らせば大好きな母の声が懐かしく響いた
「ただいま」
確かにそう言った私の声は震えていて
慌てた物音の後に勢い良く開いた扉から私達二人を交互に見詰めた母は涙ぐみながらその場にへたり込んでしまった
「ほんまに沙夜子か……?」
廊下から顔を覗かせた父が驚いた顔をする頃には
ポロポロと涙を流す母につられて幼い子供の様に安堵して
「ただいま……ただいま!!」
「…………っお帰り"……!!!」
思わずぎゅっと母に抱き付いてうわぁっと泣き出してしまった