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ここは私達の世界です【HUNTER×HUNTER】続番外編

第8章 車を見に行く話







「ほらーゆっくり行っておいで!な、お父さん」

「おう、行ってこい」


両親は本当に楽しそうに笑ってそう言った

無事に帰って来た娘の幸せに成って行く過程を見守ってくれる両親の深い愛に強く感激しながらも私の胸は高鳴った


それからトントン拍子に話は膨らみ、異国情緒たっぷりの異世界を堪能したのだから日本を巡りたいと言う私の希望はキャンピングカーの旅という話に纏まり………


「えっ!!ヨーロッパ!?」


「そうやねん!見て!!」


母と父はヨーロッパ旅行へ数十年ぶり二回目の新婚旅行へ旅立とうとしていると知り私は何だかとても嬉しかった

様々な事を乗り越えた大先輩の夫婦が新婚旅行なんて素敵じゃないか、と

キラキラ笑顔で観光地の景色を見せる母と少しテンションの高い父

そんな二人の楽し気な雰囲気に触発される様に私達の話も一気に現実味を増したのだ







キャンピングカーの存在をふんわりとしか知らない私達、先ずは店員さんに連れられて色々と見て回る事になった



キャブコンと呼ばれるTHE、キャンピングカーというイメージのものからマイクロバスベースのもの
トラキャンと呼ばれるトラックを改造したものから軽自動車をベースにした軽キャン等、多種多様なキャンピングカーがズラリと並ぶ


その中でも店員さんが最初に勧めたのは軽自動車をベースにした物だった

初心者の方にはオススメです、と言って開かれた後部座席を見て私の目は輝いているだろう


外見は本当にごく普通の軽自動車なのに後部に座席は無くフワフワのマットが敷かれ机等が取り付けられていたのだ

車なのに室内を思わせる構造は非現実的な魅力に満ちている


「このキャビネットは折り畳み式でして……」


なんて細かい説明を聞く度に強く頷いて最早これで良いんじゃないか!くらいの勢いである

運転席の後ろに取り付けられたシャワーヘッドは給水タンクでも積めば洗い物に便利だそうだ



「へー!!凄い!!」


「かなり人気の車種でしてお値段も121万円とお手頃で、コチラには……」


初めて直に触れるキャンピングカーに感心しきりで頷く私の隣で


「中入っていい?」


彼は至極冷静に声を紡いだ






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