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ここは私達の世界です【HUNTER×HUNTER】続番外編

第43章 知人に会う話








その後、キッチンカーをオープンするまでの道程、これからの目標、気が付けば随分と話し込み、お店が混んできた頃合いに「また!」と言って別れた


その間の彼はというと毛程も興味無さそうに遠くの鳩を眺めたりしていて内心ヒヤヒヤしていたけれど

そんな彼の様子まで懐しそうに笑った藤木が「相変わらずクールでかっこいいッス師匠!」なんてフォローしてくれたお陰でその場はずっと和やかだった






__________"





  

キッチンカーを離れた私達は次いで駅ビルに併設された大型ショッピングモールへやって来ていた


本来今日のデートの目的はこちらにある


ワイワイと賑やかな館内で案内板に足を止めた彼はすぐに目的地を見付け出して再び私の手を引く



「楽しみですね!」


「まぁね。」



飄々とした態度はいつ見てもクールだけど、私は読めない横顔にクスリと小さく笑った

私達は本日CMで気になっていた映画を観に来たのだ

子供達にはまだまだ刺激的な内容ながら、前作のロマン溢れる本格スパイアクションは本当に面白くて私は夢中になった

そして一緒に見ていた彼もまた楽しめた様子で、鑑賞後暫くは調べたスパイについての歴史や逸話を教えてくれたりしたのだ


その続編とあってか、その瞳が僅かに輝いていた




映画館らしい大きなポップコーン




大迫力のスクリーンで繰り広げられる手に汗握る怒涛の展開



最後に美しく回収された伏線の数々に私は高揚感を覚える程に大満足だった


そして隣で静かに物語を見送っていた彼は、部屋を出た後にキラリと輝く無邪気な瞳で先程見たばかりの映画のリーフレットを手に取った




「見て沙夜子、劇中に登場した武器が紹介されてる。」


「ほんまですねぇ」


「何か参考になるかもしれない。」


「かもしれませんねぇ」




……………恐ろしく可愛い




捲ったページを私に見せながら武器一覧と私を交互にチラチラ見ている






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