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ここは私達の世界です【HUNTER×HUNTER】続番外編

第42章 ビーチの主役








娘が泣いていたら何故泣いているのか問い、理由が些細な事だったら「そんな事で泣いてるの?」なんて言ってギャン泣きさせたりする

娘は娘で泣いている理由を分かってもらおうと伝える努力をして

彼は彼で話しが終わるまで耳を傾けているのである

………まぁ「意味わかんない」なんて言って振り出しに戻ったりもするし、話半分で「あっそ」なんて流していたりもするけれど



だが、手が空いた隙に子供がやって来れば片手間だったりはするものの結構長時間付き合って遊ぶタイプなのだ

それを彼は「子供は疲れれば寝るし、単純に体力勝負なら俺が適任でしょ」と言う

そして今日みたいに家族で過ごす休日は彼の言う体力勝負が遺憾無く発揮されるのだ


突然「はい終わり」なんて何の前触れも無くスパッと終わらせてしまう所もマイペースな彼らしいご愛嬌だが今回はいつまで続くのだろう…………



相変わらず同じ地点を巡回している彼を眺めつつ欠伸が漏れた



隣に視線を落とせばスヤスヤと眠る息子


大きなパラソルが日陰になって清流の風が心地良い



…………少し隣で横になろうかな………




なんて思った瞬間辺りから一斉に悲鳴が上がり向けた視線の先



娘が10m程上空に飛んでいる光景が目に飛び込んで心臓が止まった



………………な、一体何が………………?



娘の落下地点には両手を上げた彼の姿




ヒューンと垂直落下を開始した娘に騒然とする川辺から沢山の悲鳴が上がり



時が止まって見える数秒



何の危な気もなく彼が娘をキャッチする頃には辺りは静まり返り



キャッキャと笑う娘の声だけが響いていた



見たことも聞いたことも無かったが、あれはどうやらデンジャラスハイパー高い高いだったらしい………………


………………怒涛のように溢れる冷や汗と動悸が止まらない……………



そんな状況にも気付かずにまさかの2盗目の構えに入る彼に向かって全力でダッシュする





生きた心地のしないまま息も絶え絶え彼の元に到着した頃には娘は3度目のフライト中だった







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