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ここは私達の世界です【HUNTER×HUNTER】続番外編

第42章 ビーチの主役








それに見てください………!!!子供達も天使みたいでしょ!!!なんて得意気になっていたのも束の間





「冷たッ!!!!!」





川の水がめちゃくちゃに冷たくて野太く叫んでしまった………


彼に視線が集まれば自然と私にも視線が集まる


あれが相手かと言わんばかりに値踏みする視線にいつの時も嫌な汗が止まらないけれど




「おかあしゃーん!こっちこっち!」




娘の声にそれも気にならなくなった





__________"



13時35分



娘を彼に任せ私は息子と浅瀬にいる


息子はもっぱら無表情だが、時折水をバシャバシャさせて笑っているので息子なりに楽しんでいるようだった

そして今は川底の小石を拾っては私に渡してくれている




「ありがとう!」


「……ありとぅ」



何が楽しいのか全く分からないが、きっと人類は皆こういう遊びに一度は熱中して育ってきたのだろう………なんて、ぼんやりしていると



「おかあさんみてみて!」



バケツを持った娘と彼が帰還した


言葉のままにバケツを覗けば、中には引くくらい大量のサワガニが蠢いていて一瞬にして全身に鳥肌が立った

小さなカニ単体であれば私だって捕まえられる…………

だが、それが大量となるとその足の多さに昆虫を連想してしまい本能的に恐怖してしまったのだ

バケツの中のカニが蠢く度に甲殻類特有のカチャカチャという音が聞こえて鳥肌が止まらない




「おとうしゃんがつかまえたの!」



大きな瞳を目一杯細めて嬉しそうに笑う娘に笑顔を浮かべてみるも



「お母さんはめっちゃ怖いから無理やわ」


声色は真剣なものになってしまった




「えっ、沙夜子ってカニは平気じゃなかったっけ?食べてたし。」



滴る水もそのままに傍にしゃがみ込んだ彼はクリッと首を傾げる


確かに私はカニを食べていたし、寧ろめちゃくちゃなご馳走だと思っている……

だがビジュアルだけで言うなら苦手な類であった

何処が苦手なのだと聞かれれば、やはりその足の本数が起因である

カニのビジュアルをよく考えてみてほしい……………世界で初めてカニを食べた人物の覚悟のガン決まり具合は凄まじいものである


なんて事をツラツラと説明すれば彼はすぐに察したようだった





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