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ここは私達の世界です【HUNTER×HUNTER】続番外編

第42章 ビーチの主役







特に気取らずに着こなされた無地の黒Tシャツ、そこからスラリと伸びた長い腕は緩くシートに落ちていて

別に力が込められている訳では無いのに鍛え抜かれているのが一目で見て取れる筋肉、その中性的な風貌から想像を絶するギャップに溢れていた


そんな彼に不意な流し目なんてくらってしまえば脳がクラッシュしてフリーズしてしまうのは当然である





「煩い。」



「………………え、………私何も言ってませんけど」



「鼻息と視線が煩い。」





どうやら昂る興奮に無意識下で鼻息が荒ぶっていたようだ…………恥ずかしい

…………しかし視線が煩いとは如何なものだろう


………いや、鼻息を荒げながら無言のガン見は気味が悪いしか無い……………





「イルミさんって凄いですね………」



「話の意図が分からない。」



「だってイルミさんって常軌を逸した美形な上に彫刻ボディーなんですよ?美術館に立ってるだけで芸術作品です。その上強くて頼りになってめちゃくちゃ頭も良くて優しくてクールでミステリアスなんです。もうパーフェクト超人じゃないですか!」



「……………。」



「一方ですよ………一方私は顔も体型も平凡で口を開けばやかましく、性格もややこしい色気より食い気です……そんな私を好きになる奇特な人なんて早々いない!………だから……「沙夜子は自分を客観視出来ていないんだね。」



「えっ………そうですか………?」



「うん。」



客観視…………私は自分を客観視出来ていない…………?


私が先程口にした言葉を聞いてそう言われるという事はつまり………………………




「えっ………じゃあイルミさんの目には私はおしとやかな美女に見えてるんですか?!」

「な訳無いね。」





「ですよねぇ〜」




車内は実に静かであった





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