• テキストサイズ

ここは私達の世界です【HUNTER×HUNTER】続番外編

第42章 ビーチの主役






8月のある日





ここは私の世界、太陽が散々と照り付けてアスファルトまで溶けてしまいそうな夏の日に私達家族は涼を求めて車を走らせた

いつの間にかキャンピングカー以外にも車を所持していた事に当初はかなり驚いたが

困惑する私に彼は「買ったんだ。」とさもご近所でお買い物したみたいに軽く事後報告を受けた

普通なら車を購入するのはドキドキの一大イベントだと思うのだが……彼の金銭感覚がおかしいのは今に始まった事じゃない……………


シートや形状の雰囲気から多分高級らしき車は私達を乗せて街を抜ける




「ねぇ、まだ〜?」




なんて、ワクワク感を隠そうともせず明るく響いたのは娘の声

それを受けてミラーをチラリと見遣った彼は涼しい声で言う




「ここから1時間以上かかる。」


「いちじかんってどれくらい?」


「まだまだって事。」


「まだまだってどれくらい!「◯ンパンマン3回見るくらいやで!」




先日3歳を迎えた娘はそれはもうめちゃくちゃ喋るようになった

幼稚園や保育園に入れない代わりに自宅にて様々な事を彼と共に教えているのだが、現在なぜなぜ期に突入しており何でも聞いてくる

時に「どうしてお空はあおいの?」等の私にも難しい難問を投げ掛けられる事もあるが


「太陽光が宇宙から地球に届く途中の大気には沢山の粒子が存在していて、その粒子が太陽光を反射させるからだ。実の所粒子は様々な色彩を持っているけれど、その中でも波長が短い青がより強く錯乱するから目にする空は青く見えるんだよ。」



「おとうさんなにいってるかわかんない」



…………といった感じで噛み合ってはいないが、次々投げ掛けられる難問は大体彼が答えてくれている

スーパーコンピューター要らずの頭脳に一体どんな知識なら知り得ないのか予想すら付かないけれど、その博識さに私は勝手に惚れ惚れしている




/ 341ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp