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ここは私達の世界です【HUNTER×HUNTER】続番外編

第41章 彼が選ぶもの







最近ガーデニングに挑戦してみたいと話していたけれど、拠点を転々とする私には無理だと諦めていた

そんな私でも世話が出来る鉢植え

そして子供が生まれてからは必要経費だと現金を持ち出した私だが、ずっと小さなポシェットを財布代わりにしていたので財布を持っていなかった

箱からしてシックなそれはきっとこの世界で有名なブランドの物なのだろう


遂に嬉しさで感極まって泣き出した私だが、彼は微塵も鬱陶しそうにしたりせず優しく涙を拭ってくれた



そうして馬車を降りた私達はその後戻ったホテルで2人きりの時間を過ごし




「ねぇ、キスしていい?」



なんて意地悪に聞く彼の熱とアルコールに浮かされる一夜は夢のように過ぎた







そしてこれは数日後知った事だが、彼は既に子供達にプレゼントを用意していた

子供達の年齢に合ったおもちゃを……………これでもかと大量に…………



おもちゃ屋さんで彼と話した事を思い出す


彼は生まれた時から当然のようにおもちゃに囲まれ、きっと誕生日にはこれまた大量のおもちゃを買い与えられていた事だろう


彼は彼自身がそうだったように、彼の知るやり方で子供達へプレゼントを贈った



あんなに大量に用意していたのに何故私とプレゼントを買いに出たのだろう………と不思議に思った



勿論めちゃくちゃに喜んだ子供達だけれど、一番のお気に入りになったのは私が選んだおもちゃだった


きっとそれが彼の答えなのだ


欲していなくとも過多に与えられてきた彼は何を選ばずとも良かった筈だ


そんな選ぶ事を知らなかった彼が子供達を知る私が選ぶのが一番だと選択した


何とも不器用なやり方だけれど、それが彼なりの子供への愛情の形なのだろうと思う







……………そしてこれも数日後に知った事だが、不意にアイビーの花言葉を調べたのだ


以前から彼は私に花を贈る際、花言葉を重視しているようだった

アイビーは鉢植えだし、何でも無いだろうけど………なんて軽い気持ちで検索した結果は





『永遠の愛』



そして次いで出てきた『死んでも離れない』の文字の重たさに彼の意図を感じて笑った






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