ここは私達の世界です【HUNTER×HUNTER】続番外編
第41章 彼が選ぶもの
目の前にある前菜だって大きな皿にちっさい料理が4種乗っているコース料理……高級店なんて彼に連れられて行くくらいしか機会は無いけれどどうにも高級臭い
手元に置かれた小さなベル
………………これで呼び出せるなら間違い無く私の歓声は筒抜けだっただろうなぁ……………
そんな事を考えていたのは時間にすれば数秒、すっかり自身の現状を把握した私は先程までの浮かれポンチな姿から一変しているに違いない
すっかり真顔の私を黒黒とした双眼が凝視する
今度は一体何を考えているのか見抜くように
そりゃそうだろう、絶叫からの沈黙……沈黙から跳んでヘラヘラして今は真顔なのだから彼からしてみれば私の感情ジェットコースターは不可解だろう
………もう先程の恥晒しは忘れよう………
何てったって今日は私の誕生日祝い!大好きな彼が私だけを見詰めてくれる特別タイム!!更に美味しいお酒にお料理まで!!!何だこの贅沢三昧……明日死ぬのか??と思うくらいだ
そんなの思い切り楽しまねば損というやつである……!!!!
私は自分の機嫌を取る天才かもしれない
今や目の前の料理にお腹がギュルギュル鳴っているのだから
「お料理美味しそう〜……早く食べましょイルミさん!」
「………乾杯、誕生日おめでとう。」
「乾杯ー!ありがとうございます!」
私達の乾杯を合図に馬車はゆっくりと動き出した