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ここは私達の世界です【HUNTER×HUNTER】続番外編

第41章 彼が選ぶもの









「じゃ、次は陽葵のだね。」



「陽葵は………そうですね~……」



次いで頭に浮かべる愛息子、生後8ヶ月………最近ハイハイを始めた息子は元の物静かさから音もなく消えて度々私の肝を冷やす


しかも赤子とは思えないくらい早く、これもまた彼の血筋がそうさせているのか皆そうなのか……毎日が実にスリリングである


そんな事を話しながらやって来たのは知育玩具コーナー


ハイハイという移動手段を得た息子は今知的好奇心に満ちているのだ

特に車が好きとか何が好きなんてのは無いものの、音が鳴る物への執着が凄い



「リモコンもスマホも陽葵にしてみれば凄いおもちゃなんですよ……この間は永遠にテレビ付けたり消したりして愛菜がヒスってました」


「……………。」



感情の起伏激しい娘とは違い滅多に奇声等上げないものの、リモコンを手にした息子は何故ボタンを押すと音が鳴るのか心底不思議そうに真面目な顔でその謎を探求しているのである



「紙袋とかもガサガサして遊んでます、とにかく今はそういう好奇心を満たせるおもちゃが良いと思うんですよね!」


「成る程。」



沢山の知育玩具の中から1歳児用の物を手に取る

カラフルなボタンに反応して光ったり音が出たり、幼児には堪らない機能が沢山付いたやりたい放題ボックス



「決め手はこれですイルミさん、あの子が好きなリモコンが付いてます!これは陽葵も堪らんでしょ!」


「かもね。」



子供達の喜ぶ顔が頭に浮かんで上機嫌のままおもちゃ屋さんを後にする


カラフルなラッピングに包まれたプレゼントの紙袋は彼が持ってくれていた


…………何だか私ばかり沢山話してしまって結局プレゼントも私が選んでしまったけれど、彼はその間ずっと子供達の様子に耳を傾け続けてくれていて

その態度や真摯な横顔は父親のそれだった







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