ここは私達の世界です【HUNTER×HUNTER】続番外編
第41章 彼が選ぶもの
私達が立っていたのは丁度女児向けのコーナー、世界は変われどそのラインナップは似通った物だった
頭に浮かべる愛娘の姿、あの子にどんなプレゼントを贈ろう……せっかくならとびきり喜ぶ顔が見たい!
「……あの子最近ペット飼いたいって言うんですよね」
「ここに動物は売ってないけど。」
「いえ!今は無理って言ってるんですけど、ほら愛菜って動物好きでしょ?絵本も動物が出てくるのが好きみたいで!だから動物系のおもちゃがいいかなって」
「……ぬいぐるみ?」
目の前に陳列されているテディベアにチラリと目線を送った彼に首を振る
「ぬいぐるみも喜ぶとは思うんですけど、もっとお世話出来る方が喜びます!お姉ちゃんになってお世話ブームみたいなんですよね」
「ふーん?」
「最近はマロン大明神……あ、馬のぬいぐるみの世話めっちゃしてて」
「……………。」
なんて話ながら機械仕掛けのぬいぐるみが並ぶコーナーで立ち止まる
「こういう系のおもちゃなら大喜び間違い無しです!」
その棚には尻尾を振って鳴く猫のぬいぐるみや呼び掛けに反応する熊のぬいぐるみ……その他色々なぬいぐるみが陳列されていた
マロン大明神と名付けられた馬のぬいぐるみを撫で、布団を掛けて寝かし付けたりエサやりをしている様子から何かしら反応が返ってくる物が良いだろうと思ったのだ
「えっ……これ見てくださいよ!撫でる度に懐いて鳴き声まで変わるんですって……おもちゃも日々進化してるんですね……」
「へぇ。」
他にももっと反応が返ってくるおもちゃは沢山あって心底感動したけれど………
「めっちゃ可愛いし凄いけど、ちょっとまだ早いですよね!……もっとシンプルな……」
そんな中から吟味して私が選んだのは犬のぬいぐるみ、リードのハンドルを握るとワンワン鳴いて尻尾を振り歩くといった物だった
「他の子より歩くのもお喋りも早かったけどまだ2歳ですから、色々機能付いてても難しいやろうしこれならピッタリです!」
何より紐で縛られ床を引き摺られているマロン大明神を毎日何度も見ている……なんて話に彼はしっかりと耳を傾けてくれていた