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ここは私達の世界です【HUNTER×HUNTER】続番外編

第41章 彼が選ぶもの








「イルミさんっておもちゃ屋さん来た事あります………?」




気が付けば自然と漏れた声だった…………いや、彼だってかつては子供だったし一切立ち入った事が無いとかはないだろうけど………なんて思っていると




「無い。」




彼は興味無さげなまま言った




「えっ…………!子供の時も!?」



「うん、無いね。」



「でもおもちゃ買ってもらったりしたでしょ………?」



「まぁ……でも気が付いた時には遊び切れないくらいおもちゃが溢れてたからわざわざ買い足しに出なくても良かったんだよね、欲しい物があれば使用人が新しいの買い付けて来るし。」



「………なるほど……凄まじいですね……」



「それより、何買うの。」




そうか…………流石お貴族ゾルディック様のご子息……小さなぬいぐるみ欲しさにギャン泣きしていた私とは大違いである……


しかし何と言うか………今の発言で何となく彼がする大量プレゼントのルーツを垣間見た気がする………

彼は子供達が生まれた今でも私が室内で快適に過ごす為の本やゲームやDVDを大量に持ち帰る

全て室内で楽しむ娯楽である事まで変わりなく、あの猟奇的な闇を覗かせたるのも変わらない


それは彼が幼い頃外界に連れ出される事もなく、様々な物を当然のように与えられていた経緯からそうなったんじゃないだろうか…………


……………いや、勿論私をひとりで外出させるのは危険だと心配もしてくれているし、退屈だろうと気遣ってくれているんだろうけど、何はともあれ何とも病的に感じる


幼い子供なら当たり前のように訪れるだろう場所に彼は来た事すら無かったのだ

沢山の物に囲まれていた彼を恵まれていると捉えるか、恵まれていないと捉えるかは人によるだろうけど…………




……………それはそうと、本日は記念すべき彼の初おもちゃ屋さん来店だ……!

幼い彼を思えば複雑で悲しい気分になるけれど、一歩一歩普通の事を経験する彼を見守りたい…………!!なんて思っていると彼は気怠く長い髪を払う



「目星は付いてるの?」



全く面倒そうでは無いものの辺りを確認し終えた彼は私を急かした

彼が何事に関しても目的達成を優先するのはプレゼント選びとて同じなのだろう



「じゃあまず愛菜のプレゼントから探しましょう!」





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