ここは私達の世界です【HUNTER×HUNTER】続番外編
第40章 ファミリーの庭園
すっかり焼き上がったシシトウ
「沙夜子も食べる?」と小首を傾げる彼に緩く首をふって、私はずっと彼のモグモグタイムを眺めた
「これは辛い。」
「…………っご報告ありがとうございます!!ん"もぅ可愛いッ!!!こっち向いて!!!!こっち向いてイルミ様!!!」
「………………。」
__________"
15分後
鼻息荒くカメラを連写する私に最早慣れ切っている彼はその後可愛い報告をピタリと止めて華麗なスルーを貫いたままシシトウを食べ切った
……………そして今の私は全身が爆発的に熱くなっている
向かい合わせで座っていた筈の彼の気配をいつの間にか隣に感じたと同時に私の手を大きな手が覆ったのだ
私が熱烈ラブコールを送っていた時は氷河すら凍えさせそうにクールだったのに気まぐれに訪れたスキンシップに身体が固まる
長い指先が優しく、しかし淫靡な色を含んで私の肌を撫でて
突然の出来事にドキリと高鳴った胸は全身に血液を巡らせ最早動悸である
「沙夜子」
耳元を擽る小さな囁き
ただ悪戯に肌を撫でていた指が絡められしっかり握られてしまえば胸がキュンとして顔を上げる事すらままならない
私達は夫婦だ
だけど日々更新される彼の魅力に慣れとは程遠く頬は簡単に染まってしまう
チラリと目を向ければ妖しく細められた双眼に捕らえられて、その中に悪戯っこの色を見た
その端正な顔がグッと近付き呼吸も忘れた一時、首筋に触れた柔らかな温もり
こ、これは………新作キッスしたくなる潤艶ピンクリップの実力か………!?!?なんて浮かれたのも束の間
次の瞬間私は悲鳴を上げていた
「〜〜〜"ッ痛い痛い痛い!!!!」
硬い歯が肌に食い込み激しい痛みに襲われて、必死で痛みの犯人の背中をバシバシ叩く
何故………何故突然私は噛まれているのだ?