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ここは私達の世界です【HUNTER×HUNTER】続番外編

第40章 ファミリーの庭園







私は再度息子を見た


パッチリ開いた彼似の猫目がちで大きな瞳…………………



「…………………えっ、寝てるの?!?!」



確かに彼は時折目を開けたまま眠っていて、ホラーな意味でドキッとする事がある………しかし………




「いやいや、目開けたまま寝る赤ちゃんなんか聞いた事ないですよ!?」


「でもここにいるじゃん。」


「えぇっ…………」


「お腹空いたら泣くだろうし、寝かせておけば?」



………………そんな所まで遺伝するのか…………と言うか、彼のあれは修行の賜物ではないのか………?もしかして幼い頃からの寝相というか癖なのだろうか…………

眠っているのだと言われてしまえば確かに目を開いたまま眠る彼の姿にソックリで何とも言えぬ説得力があった



今度ランさんに聞いてみよう…………






________"






13時36分



沢山はしゃいで沢山食べた娘はお昼寝タイムに入り、少しして目を覚ました息子は授乳後再び眠った


先程までキャッキャと賑やかだった庭園には途端に静寂が訪れて、そよぐ秋風が草木を揺らす


腹八分目でひとまず箸を置いた私はもっぱら彼を愛でる事にした




「2人が寝ると静かですねぇ」



「そうだね。」



なんて無表情に言いながらもまだまだお食事中の彼は何やら追加を取りに席を立った


肩で風を切るその姿勢まで洗練された姿を目で追ってしまうのはきっと私だけでは無い筈だ


モデルのスカウトとか受けないのだろうか………


今この瞬間の全てが贅沢で思わず幸福の溜め息が漏れる


長い髪が風に流れる背中すらも愛しくてうっとり見惚れていると、振り向いた彼が山盛りのシシトウを持っていてニヤッとしてしまった


向かい合わせの席に戻った彼は冷たさすら感じる凛とした表情のまま、そのシシトウを網に並べる

雰囲気だけで言ってしまえば潔癖な程に冷淡で何人も寄せ付けないのに、やっている事はBBQなのだ




「………全て焼いてしまおう。」



なんて言いながらひっくり返された皿から山盛り分のシシトウが網に転がる




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