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ここは私達の世界です【HUNTER×HUNTER】続番外編

第38章 夏のある日の話









静かに食事を終えた彼を見詰めた私の鼻息は盛大に荒い



「あの、イルミさん!」


未だ先程の話題で盛り上がっている番組をじっと眺めているテレビっ子な彼は私の様子に怪訝な表情を向けた


ふん…………そんな顔をされたってへっちゃらだ……!!!


その喧嘩以前から与えられる大量の室内娯楽グッズからも猟奇性を垣間見せていた彼

以降も他者からのプレゼントを粉砕したりバレンタインの友チョコを全て食べてしまったり……病んでるなぁと思う節は度々あった


それでも私は彼が大好きなので問題ない…………それよりも!!!!


私は彼の新たなる属性を知り大興奮なのだ!!!落ち着いてなんていられない!!!




「このヤンデレってイルミさんっぽいですね!!!!」



声に出してしまえば途端にテンションが上がって狭い部屋に馬鹿みたいに大声が響いた

それと同時に眉間に寄ったシワ



「は?」



不満そうにテレビ画面へ戻った瞳



番組はヤンデレエピソードとして恋人を好き過ぎるあまり現在の居場所や誰と何処にいるのか何をしているのか何を食べたのか等些細な事柄まで全て把握していたい気質の人が多いのだと紹介されていた

主なタイプは他者排除タイプ、他人の存在を排除して恋人の意識を自分だけに向けさせようとする

無害タイプ、恋人に対するネガティブな言動はしないが愛情の強さ故に自分自身が不安定になってしまう

ストーカータイプ、24時間恋人を観察して何でも把握していたいなどなど……


ヤンデレの人はとにかく常軌を逸する愛情表現をしてしまい、それは好意故でとても一途なのだとも解説されている


一方でその重たい愛が行き過ぎるあまり『別れるくらいなら殺してやる!』『誰にも取られない為に監禁してやる!』等の猟奇的な行動を取ってしまうのだとか

私からしてみれば全てが当てはまる訳ではないにしろ彼は立派な重めのヤンデレだと感じる

其れ等の解説を如何にも不服そうな顔で見届けた彼は大きな溜息を付いた後に白々しい程の無表情になっていた




「これのどこが俺なの?いるんだねこんな奴。」






………………いるんだねこんな奴………………?






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