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ここは私達の世界です【HUNTER×HUNTER】続番外編

第38章 夏のある日の話








私は今まで彼の事をツンデレだと思っていた………

普段はクールで素っ気なく愛情表現に乏しい彼だが、いつの時でも突然優しく手を握ったりキッスをくれたりお洒落をした時に「いいんじゃない」と言ってくれる声色が穏やかだったり……

素直じゃないけれど愛情表現をしてくれる姿はツンデレに通じるギャップ萌えの類いだと思っていたからだ



白米を山盛り盛ったお茶碗を手渡せば「ありがとう」と言って再び黙々と食事を進める彼の隣で


ヤンデレの説明を聞いた今、思い出すはヒソカさん関連で怒り狂う彼の姿だった


私達が初めて喧嘩をしたのは私が彼の世界にいて彼は多忙故に留守がち、誰とも話さない日が続き人恋しさにヒソカさんと無断外出をした事がきっかけとなった

勿論約束を破った私が悪い

しかしあの時の彼の怒り方は常軌を逸していた


彼は異世界が危険だからと私を心配してホテルの部屋に閉じ込めた

それならば外出する際に強いヒソカさんが付いていれば問題ないのではと私は必死に訴えた

………だけど、彼に私の言葉は届いていなかった

酷く虚ろな瞳で『目を潰そうか。見えなければ外に出たりしないでしょ?』『手足要らない?全部俺がしてあげるから必要無いよね』と呟いた彼は最後に針を手にした

その上部屋の家具は木っ端微塵になっていたのだ


その真意は独占出来ない葛藤や愛情からくる強い激情………


『沙夜子が俺の言う事聞けないから悪いんだよ……何故俺以外の人間を求めるの?俺は沙夜子だけ居れば其れで良いのに……』


という言葉が全てを表している気がする……


本当の所を知るすべは無いけれどヤンデレ……嫉妬深い彼そのもの過ぎるじゃないか……!!!!





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