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ここは私達の世界です【HUNTER×HUNTER】続番外編

第35章 ソニの村の人々









「沙夜子をこんな所にひとり置いて行ったりしないよ。」


「えっ……でも「だからって目の前で殺ったりもしない。」


「詳細は話せないけど……とにかく沙夜子は観光に来たと思って楽しめばいいよ。」


「……ほんまですか」




いつの時でも真っ直ぐな眼差しに私の抱いた不安はみるみる消えていく

今迄幾度と恐怖や不安に怯えてきた私を彼はその度に受け止めて言葉をくれた



「俺がこう言ってそうならなかった事なんてある?」



余裕綽々間延びした彼の声に今度は私が小さく笑った

今迄の経験から持てる確信は、何より彼の信頼からくるものだった


すっかり肩の力が抜けて晴天の空を仰ぎ見る


ジリジリと暑さを注ぐ太陽は丁度天辺に上った所だ




「じゃあ観光楽しみます!」


「まずは水分補給ね。」





___________"



12時37分



私達は木陰から暫く歩いた村の中心部にある広場へやって来た


ここ数日を共にした事でニックのガイドに不安を覚えた私だがそれも束の間、賃金が発生する仕事となると多少の大雑把はご愛嬌程度にしっかりガイド役を努めてくれている

と言うのも、ソニの村では意思疎通もままならない程に使われる言語が違っていたのだ

そこにきてニックは通訳として大活躍、さっぱり言語の分からない者同士でも和気藹々とした雰囲気で昼食を囲む運びとなった

不安定な梯子を登りお邪魔した高床式住居は高所恐怖症にはスリリングな立地ながら、入ってしまえばその安定感にそこが高所だと忘れてしまうくらいだ


昼食を用意してくれたのはニックの古い友人であるニニータさんご夫妻、日焼けした肌にキラキラの瞳、人懐こい笑顔はこの周辺の村共通なのかもしれない

川から流れて来たニックを助けたという話はいつの間にか村中に知れ渡っていて、ニニータさんご夫妻以外にも沢山の人が顔を出し私達を歓迎してくれた



「オン人ダカラね〜ご馳走ダヨ〜!」




食事に合わせて広げられた低いテーブルにこれでもかとお料理が並ぶ






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