• テキストサイズ

ここは私達の世界です【HUNTER×HUNTER】続番外編

第34章 スコールの夜








「だから言ったじゃん、アイツは沙夜子が思うよりずっと強かだって。」




確かに………スコールの際もずっと爆睡していたんだろうなぁと何となく思えてしまえる貫禄…………

………そうか………現地で生活しているってこういう事なのかと深く感心してしまった


ツリーハウス………ちょっと憧れる…………



なんて考えていると歯磨きを終えた彼は真っ直ぐにニックのツリーハウスの下へ向かい、間髪入れず太い木の幹を思い切り蹴った


途端に巨木がザワッと揺れてその衝撃でニックが落ちて来る


「キャー!!!!」


その危うさに私が悲鳴を上げたと同時、彼は事も無さげにニックを腕にキャッチするとそのまま砂浜へ投げ捨てる



「…………っえぇ!?」



落下の衝撃を考慮はするけれど丁寧に扱う気は無いと言わんばかりに、あまりにも綺麗に流れるような所作で人を捨てる様はぞんざいそのものでびっくりしてしまった


驚きのあまり固まったままの私、何事も無かったみたいに「朝食を獲ってくる」と残して森に消える彼


まるで人形のようにべシャッと砂浜に転がったニックは彼が消えて数秒後にモソモソと砂浜に座った



「だ、大丈夫?ニック……」


「ン〜………」



頬に付いた砂をそのままに寝ぼけ眼をグジグジ擦ったニックは視界に私を捉えると昨日同様の人懐こい笑顔を浮かべた




「〜オハヨウ」


「おはよう……」


「ニック……ドウヤッテ降リたんダロ?」


「ん、ん〜……」


「ま、イッカ!朝ダナ晴れダネ〜」


そこかしこ砂まみれなのを気にする素振りもなくグーンと伸びをしたニックはキラキラとした笑顔で青空を仰いだ


おおらかと言うか何と言うか……逞しい人だ、きっと細かい事もそうじゃない事も何も気にせず穏やかに生きているのだろう





/ 341ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp