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ここは私達の世界です【HUNTER×HUNTER】続番外編

第34章 スコールの夜








「今日はいつもより無口なんですね、見つめ合うと素直にお喋り出来ないんですか?イルミさんったら!」



見つめ合う事数秒、そんな私の様子に失礼にも深い溜め息を付いた彼はガシガシと頭を掻いた後に普段通りの雰囲気に戻った



「…………寝てたよ、今目覚めたけど周囲を警戒していたからそう見えたんじゃない。機嫌は沙夜子と違って別に普通。あと普通に話せる。」


「そうでしたか!警戒してくれてたんですね、ありがとうございます……ふふふ……おはようございます!」


「おはよう………沙夜子こそどうしてそんなに変なテンションなの。」


「え〜?それはね、イルミさんとお喋り出来てる今に感激してしまいましてね!!」


「……………いつもの病気か。」


「ほんま神様仏様イルミ様ですよ……イルミさんって私を幸せにする天才なんです!!もうね………イルミさんがそこにいてるだけでもう胸がいっぱいで……今日も世界の全てに感謝して生きて行こうって思えます……!!!」



嬉々と感謝を述べる私だったが話し終える頃にはテント内に彼の姿は無く、いつの間にかテントの出入口が開いていた




…………………あ、ニック!!



めちゃくちゃ忘れていたが私はニックの安否を確認しようとしていたのだった………


自分の感情変化と忘却具合にゾッとしつつも彼に遅れてテントから出て辺りを見渡す


昨日と変わらず広がる砂浜にニックの姿は無く焦りながらもキョロキョロしていると、歯を磨いていた彼が見向きもせずに真っ直ぐに指を指した


彼の指し示した先を視線で追って見えたのは、高い木の中腹辺り

昨夜には無かった簡易的なツリーハウスだった


「えっ、!!!!」


太い木の枝と枝の隙間に大きく立派な葉っぱで作られた屋根、木々を組まれてしっかりとした床はテントより余程快適そうで……

その上でニックは幸せそうにヘニャリとした顔で爆睡していた………半身落ちそうになりながら…………


あんな危ない体勢でよく爆睡していられるなとも思ったけれど、そもそもニックはイカダが大破したから流れに身を任せるというワイルドな人だった……




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