ここは私達の世界です【HUNTER×HUNTER】続番外編
第34章 スコールの夜
スっと見下されて視線が交わり、昨夜の雰囲気を思い出した途端に頬がカッと熱くなった
大好きな彼は今日も今日とて美しい………それは太陽が東から登り西へ沈むくらい当たり前の事実だ
弓なりな眉、スラリと通った鼻筋、冷たさを含む瞳は白い肌に印象的に大きく、薄く形の良い唇が声を漏らせばまるで芸術的な彫刻が話したみたいに現実味が無い
「何処に行く気?」
なんて気だるく長い髪をかき上げる仕草、ブランケット越しに感じる逞しい御御足にすらキュンとしてしまって
慣れという感覚の対局にいる私は寝癖を整えるふりをして咄嗟に飛び退いた
「あ、えっとニックの安否確認を!」
人を寄せ付けぬ潔癖さに純白を思わせる一方で底知れぬ妖しい闇に漆黒を思わせる彼
「………ニックニックってうるさいな。」
そんな彼が私に言葉を投げ掛けてくれている事事態が凄い奇跡に感じて脳の処理が追い付かない
彼と子を成し家族になっておいて何を今更と言われてしまえばその通りなのだが、いつまで経っても日々恋をしている私にとって彼のくれる全ては何一つ当たり前の事ではないのだ
神様仏様イルミ様…………今日もありがとう………私は世界一幸せですッ!!!!!
「あ!て言うかイルミさん寝起きじゃないでしょ、いつから起きてたんですか?」
「………………。」
「あれ、何かご機嫌斜めです?」
私が幸せを噛み締めつつ爆発寝癖を整えている間に彼の完璧フェイスの眉間に深いシワが寄せられていた
謎のタイミングではあるものの、彼とお喋り出来る喜びにテンションが爆上がりしている私はニヤニヤしている