ここは私達の世界です【HUNTER×HUNTER】続番外編
第34章 スコールの夜
高鳴る心音や上がった体温を誤魔化すようにブランケットを引き上げてぎゅっと瞼を瞑る
彼の意図は全くわからないが、少なからず彼は私のスイッチを押したと自覚しているだろう………
それなのに彼はそれが面白いとばかりに瞳を爛々させていて…………
……………クッ………恥ずかしいッ!!!!!
「おやすみなさい!!!」
馬鹿みたいな大声に彼が小さく笑った気配
…………………彼に噛み付かれる事に快感を感じてしまった……………?
ただ痛いとばかり思っていたのに…………どうして………………
…………その理由は考えるまでもなく明白で彼が情熱的な愛を伝えてくれる際、必ず身体の何処かに噛み付くからだ………
その痛みと同時に与えられる途方もない快楽が噛み付かれる痛みと脳内で関連付けられて………………
…………ヤバい………私は自分自身も自覚しない内にどんどん厭らしい身体に変えられている………………ヤバい………!!!!!
これは私が変態なのか…………彼が変態なのか………………それとも変態と変態のマリアージュなのか…………………とにかく………何だかヤバい扉を開いてしまった気がする…………
「うあああああああああ!!!!!ヤバい………!!!!私の扉よ閉じろ!!!」
その事実に気が付いて思わず叫んだ私だが
既にノーマルモードで就寝体勢になっていた彼は目を閉じたままだった
「うるさい。」
___________"
06時14分
昨夜の事を走馬灯のように思い出した私は、新たな変態性に悩むより先にニックの身を案じていた
すっかりスコールは上がり陽が出ているのかテント内は薄く明るくなっている
……………とりあえず安否確認をしよう……
モソモソと移動してテントの出入口へ向かっているとまたも不意に手首を掴まれて昨夜同様に引き戻されていた
ボスンッと落ちた先は彼の胡座の上………いつの間にか目を覚まし上体を起こしていた彼は寝起きにしてはすっきりとした顔をしている
「……あ、おはようございます」
「おはよう。」