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ここは私達の世界です【HUNTER×HUNTER】続番外編

第33章 ニックは見ている







月明かりを失ったテント内にぼんやり浮かぶ彼の姿は、闇を滲ませ私の心音を早める



音も無く私の頬に触れた長い指




「おやすみ沙夜子明日も早い、よく眠って体力を回復させておくんだよ。」




普段の単調さをそのままに紡がれた声は何処か危ない香りを纏い


ただ小さな漆黒に飲み込まれそうな一時




「入れてくれナイけど優シイな!おやすみダ〜」




テント越しにくぐもって届いた陽気な声に彼はまた眉間のシワを深く寄せた




「お前に言ったんじゃない。」





「……………ふふ……ふっぶふ」


「何笑ってるの。」


「違うんですよイルミさんを笑ったんじゃなくて!ふふふ……いいコンビやなぁって!」


「…………………。」




何だかツボにハマってしまって吹き出してしまった私の隣で彼は苦虫を噛み潰したような顔をした後、凍て付くような無表情で私を黙らせたのだった




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