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ここは私達の世界です【HUNTER×HUNTER】続番外編

第32章 私のヒーロー








砂に残る血の跡が届いていない所にいつの間にか朝食会場が出来ていたので重たい足取りで向かう


会場と言っても焚き火に吊るされた鍋を目印に椅子として程良い太さの丸太が寄り添っているだけなのだが

私が後悔の種を作っている内に彼が用意してくれた大自然の食事会場である




「イルミさん準備ありがとうございます!!」



遠くに言葉を投げながら丸太に腰掛ければ、丁度彼が大きな肉を持って此方に歩み出した所だった



密林を背に少し離れた左手にはテント、遠く前方には濁った川が流れていてそれよりも手前右側にトラックみたいなワニが横たわっている




景色としては………何と言うか……凄まじい



私達は今大自然の中で生きているのだと嫌でも教えられるワイルドビュー………



クツクツと煮え始めた鍋のレトルトスープに視線を落とす


今朝は彼の生まれ育った地の郷土料理、レンズ豆のスープを頂くようだ





………………私達のラブリー天使愛菜は今何をしているのだろう…………

彼の仕事用スマホは場所に関わらず何処でも衛星で繋がる仕様らしく、娘の様子はランさんから朝昼晩と報告が届いていた

私がこうして彼に付いて来られたのも全幅の信頼を置く彼女に任せられているからこそなのだが……………会いたいなぁ…………



何故か既に疲れている心と身体を癒やすべくエアー抱っこをしている内に彼は私の隣までやって来た





嫌でも視界に入るテカテカの巨大生肉はお高い生ハム原木の倍くらいのサイズ感で……




「食べ切れます……?」




おずおず漏らした私の疑問に



「昼食分も今焼き上げる。」


彼はさも無さ気に昼食までのワニ肉を決定した







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