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ここは私達の世界です【HUNTER×HUNTER】続番外編

第32章 私のヒーロー








私の脳裏を今までの人生の中でヒーローと認識した存在が走馬灯のように駆け巡る

危険を顧みず背に私を隠した彼はまるで…………まるで…………っ!





「私のヒーローですね!!!!守ってくれてありがとうございます!頼もしくて惚れ惚れしました!!!!」



「別に」なんて言いながらも何処か得意気な彼の表情に私が激しく身悶えた事は言うまでもない





__________"



6時03分




彼が華麗に瞬殺した恐竜の正体は昨日存在を知ったノコギリワニだった


ノコギリワニは私の想像を超えて遥かに大きく、顔付きだけはよく知るワニだけど全長20mはある上に2足歩行する恐竜に似たモンスターだった



今は脱力してピクリとも動かない巨体を眺めて生前のパワフルにも程がある挙動を思い出すだけで全身がブルリと震える


ジュラシックワールドの完全再現と言って過言ではないワイルドさには恐怖しかない


もし私がたったひとりで出会っていたら土下座しながら後退る事しか出来ず即ゲームオーバーになっていただろう


……それにしても熱帯雨林の木がどれもこれも巨木だった事に妙に納得してしまった


南の島の虫は大きい………これは虫嫌いの常識なのだが、もしかしたら温かい地域の生き物は大きく進化する節があるのかもしれない………



きっと他の生き物も巨大なのだろうと想像すれば心臓は嫌に早く脈打った







……………しかし敵が悪かったな…………



そう!!!私には全知全能スーパービューティーかつクールでミステリアスでめちゃくちゃ強い超一流暗殺者の彼がついているッ!!!!!


録画していたかったくらい格好良かった……………なんて何度目かも知れず惚れ惚れしつつ………






そしてそんな安心安全な今の状況だからこそ何処からともなく湧いた好奇心………




………………横に並んで写真とか撮ってみようかな




黙々と朝食の席を用意してくれている心優しき彼の気配にも気付かずに遠巻きに眺めていたワニに一歩また一歩と近付いてみる


そうして手を伸ばせば触れてしまえる所まで来てその大きさにゾワリと全身の毛が逆立った





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