• テキストサイズ

ここは私達の世界です【HUNTER×HUNTER】続番外編

第31章 馬鹿は黙って漕ぐ








つまり彼は危険だらけのこの場所の全てから…………



『守るよマイハニー……!』





「キャーーーーーーーー!!!!!」




私の目はきっとハート型になっているに違いない


怪訝そうに眉を潜めたその表情すらもセクシーだし、上下黒のシンプルなスポーツウェアだって完璧に着こなすパーフェクトなプロポーションが今日も今日とて素晴らしいし

そんな彼が少し大きめの石にちょこんと座っている姿がもう…………もう…………っ!!!!




「…………好きぃ…………!!!!」




「突然興奮しないでくれる、食べたらすぐに出発だよ。」


「私の事マイハニーって呼んで欲しいです!!!!」


「無理。」






_________"






16時42分




「あの岸辺に付けようか。」



背中越しに投げ掛けられた言葉に従って私達は本日二度目の上陸を果たした


今度の拠点は昼間とは違い広々とした砂浜と言えそうな所で、やはり熱帯雨林のジャングルが直ぐ側から広がっている場所だった



昼食時に聞いた危険生物の数々………私は其れ等全てに怯えながらも彼へ一心に注ぐ想いだけを糧に懸命にパドルを動かした

自身が前方に座っている事で彼の姿が見えないのを心底残念に思いつつも、アメとムチを駆使した彼の指導により私のパドル捌きはメキメキと上達した


今や彼に褒められるというアメすら与えられない状況だ



…………ふふん、それだけ私も頼りになるくらい成長したのだろう……!


それが証拠にバテバテだった前半とは違い今は程良い運動後の心地好さを感じている






………さて、私は今冷や汗をそのままにモジモジと彼に駆け寄っていた


濁った川も砂浜も不気味なジャングルも麗しい彼も全てを平等に照らす夕焼け時



「………あの」



テントの設営をする逞しい彼の裾を控え目に引っ張った


途端に此方を振り向く彼があまりにも綺麗で私は本当に泣きそうになった





「トイレしたいです」


「了解。」






/ 341ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp