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ここは私達の世界です【HUNTER×HUNTER】続番外編

第28章 大きな手





翌日




私達は昨夜に続き、久方ぶりにゆっくりとした時間を過ごしていた


夕飯の後は交代でお風呂に入って、その後は互いの近況を話した


私はもっぱらお腹の調子や絶品の食事について等、些細な事を

彼は今の季節に起こるスコールの原理について等、やはり徹底して仕事の影を見せない辺り無性に心配になった


「お仕事とか……お家の方は大丈夫でしたか……?」


なんておずおず訊ねれば


「滞りなく進んでる。」


彼はいつもの淡々とした口調でそれだけ返した

彼が言うのだからそうなのだろうけど


「無理だけはせんといてくださいね……?」


愛する妻として心配しているのだという事はアピールしておく


聞いているのかいないのか「了解。」なんて短い返事をした彼はいつも通り飄々としていて、思わず詰め寄ってしまったけれど


「私ほんまに心配してるんですからね?!」


「俺はそんなに柔じゃない。」


真っ黒のクリクリ眼にガン見されながら言い切られると……何と無く取り越し苦労かと気持ちは落ち着いた



大好きな彼が隣に居てくれる事が心地好くてベッドルームでも笑いが止まらなかった私は実に爽やかな目覚めを迎えて



朝食に出されたガレットの良い香りと彼が片手間に聞くニュース番組から流れるアナウンサーの声

何気無いようでいて私にとっては至福の1日が始まった

何と言っても彼は今日1日休暇で!愛しきベイビーの検診の日でもある!

彼がプロだと言い切るのだからきっと凄く優秀な産婦人科医に違いない

プロの到着を待ちながらも、私の頬はもっぱら緩みっぱなしだ



朝日溢れる室内、白を基調とした上品な装飾が彼には本当に良く似合う

その醸し出す特有の何とも言えぬ雰囲気からヴィラン的な重厚でものものしい内装も大変良く似合うけれど

早くも身支度を整えて身を包んだVネックの白い無地Tシャツと少しタイトなジーンズがシンプル故に彼の魅力を際立てる

そして海辺を連想させるマリン仕様(豪華絢爛ver)の室内に彼を中心に爽やかな風が吹き始めるのだ

正確には風等吹いていないけれど、私は心で風を感じている





…………あぁ、眩しい…………






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