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ここは私達の世界です【HUNTER×HUNTER】続番外編

第27章 マタニティーブルー







彼はやはり私の神様なのかもしれない

ずっと不安だった事が彼の言葉で全て綺麗に落ち着いて行く


そしてぎゅうっと彼を独占したままでどれだけの時間が過ぎたのだろう

いくら声を聞いたって埋まらなかった孤独感や、彼やこの子を失うかもしれない恐怖から解放されて只大好きな温もりに浸っていた私だったが

はたと気付いた時には私達の周りは空き巣に入られたみたいに荷物が散乱していた


…………普段私は無闇に物を散らかしたりしない

彼には少し潔癖な所があるから彼と生活し始めてからは特に気を付けていた

きっと彼はまた私は何か馬鹿な事を思い立ったのだろう、くらいに思っているのだろうけど………



「………あの、匂いがね、アパートの匂いが落ち着くからタオルを……」


「…………。」


「………でもやっぱりイルミさんの匂いが一番落ち着きます」



ぐずぐずと鼻を鳴らしながらも彼を見上げれば彼は何故か眉を釣り上げながら「ふーん」と悪戯に溢した

そして自身の先程迄の乱暴な行いを思い出す

いくら不安だったからといって、それは言い訳にはならない

無害だとしても彼に向かって物を投げ付けるだなんて………



「……っあの、ごめ「じゃあ、こうすれば安心だよね?」



私の謝罪より先に彼は余裕たっぷりに笑って見せて

床に落ちたタオルを悠々拾い上げた彼は徐にその陶器の様な肌を見せる首筋に擦り付けたのだった


…………何と言えば良いのか


その姿があまりにも男性的かつ妖艶で


「………………ありがとうございます」


暫く惚けたままだった私の感謝の言葉は最早何に向けられたものなのか……意味深になってしまった





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