ここは私達の世界です【HUNTER×HUNTER】続番外編
第23章 小さな刺客
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私はどれだけの時間部屋の隅々を睨み続けていたのだろう
何処へも逃がさぬ様に閉鎖されたリビングで時には吸血対策として狂った様に手足をバタ付かせたりした
「………………」
神経を研ぎ澄ませているといつもよりどっと疲れる
まだ抹殺を諦めた訳では無いがここまで見当たらないとなると、もしかしたら私の殺気を察しているのかもしれないと思えてきた
ここは諦めた振りをして油断させる作戦で…………
なんて腰を降ろして私は彼の寝顔を二度見した
陶器の様に透き通り一点の曇りも無いしなやかな彼の頬に一粒の黒い点………………
黒い……………点…………………
……………………うおあああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!
居やがった!!!!!!
奴は彼の頬にそっと羽を降ろしていたのだ
(事も有ろうに神様が創りし最高傑作マイダーリンの頬とは余程私を怒らせたいとお見受けした………ッ!!!!)
私は微動だにしていないものの鬼の形相で奴を睨んだ
…………しかし…………しかしである……………っ!!
胴がスリムな事からまだ吸血されていない様子なのは幸いだがこの状況で私にどうしろと言うのだ…………ッ!!!!!
彼の頬を打てと言うのか………?
はたまた害虫用スプレーを噴射しろと………この世で一番美しい生き物に…………?
私は絵に描いたみたいに頭を抱えた
………………いや、しかし…………彼の血液が害虫に渡っても良いのか…………?
世界に名を轟かせる高貴なる一族の血を易々と……………蚊に…………
(…………………しかもよく考えたらお前メスやんけ…………っ!!!!)