第23章 小さな刺客

私の眼光は今、ゴ○ゴ13よりも険しい


培った経験から蚊は目撃次第即刻抹殺する事に決めている

蚊がいると思うと夜眠れない質だというのが大いなる原因だが多分皆そうだと勝手に思っている

そう考えると人類は皆何かしらの暗殺者なのかもしれない


私は部屋中を見渡しながらテレビ台を目指してそろそろと歩を進めた

奴等が休憩する際に止まる天井や壁に姿は無い………血液を吸った蚊は身体が重く疲れ易いが奴は空腹という訳だ………


何故私が大嫌いな蚊に詳しいかというと子供時代に様々な図鑑を読み漁っていたからだがそれは今は置いておく

テレビ台の裏にはありとあらゆる害虫を駆除する劇薬が取り揃っているのだが

その中から蚊のいなく○るスプレーを持ち上げて静止した



このスプレーは蚊を寄せ付けない効果もあるが何より室内にいる蚊を弱らせ、死に至らしめる所謂毒ガスだ


奴は何処にいるかわからない……ならば丁度良いと思うかも知れないが私は奥歯をギリリと噛み締めながら其れを手離した





私には大切な家族がいる

身体の小さな親方

部屋に毒ガスを撒き散らす訳にはいかない…………！



(………………アイツ親方を人質に取りやがった………卑怯者………ッ！！！)



勿論、蚊にそんな戦略は無かっただろう

しかし今の私にはそんな風に思えた(偏見)