ここは私達の世界です【HUNTER×HUNTER】続番外編
第21章 秋雨の時に
切望して辛うじて消された室内灯
だがいくら室内が薄暗くても彼の瞳には全て鮮明に見えているのだと思えば途方も無い羞恥が押し寄せて
彼の長い指に体内まで触れられて甘い痺れに乱れてしまったつい先程迄の記憶にクラクラと目眩がする
まして彼まで一糸纏わぬ姿なのだと意識してしまえば途端に支配していた欲望は小さくなって羞恥心ばかりが波立つ
沈黙のまま俯いてその場から動けない
ザアザアと激しい雨の音の合間に響く声
「沙夜子、こっち向いて。」
優しい声色の中に媚薬の様に交ざる淫靡な香り
身体中を駆け巡っていた筈の羞恥は一体何処へ消えたのだろう
再び脳がフワフワとして顔を上げれば彼は途端に私を抱き寄せた
「ほら、頑張って。」
色っぽく細められた瞳が間近に迫れば奪われた唇
舌を絡め取られて激しく貪られながらも彼は私の手を掴み、そのまま下腹部へと誘う
顔を上げた際に見えた男性的な肉体
唇の端から荒い呼吸を漏らしながらも反り立ったそこに触れた途端に私は目を見開いた
反射的に逃れようと怖じ気付く手首を掴まれて重ねられた大きな手に教えられる様にやんわり握れば
彼は「良くできました」と言わんばかりに、ちゅッと音を立てて唇を解放した
髪を撫で上げる手に無意識的にすり寄った私だが
そんな姿をじっと観察していた彼はそのままぐっと私の頭を熱の籠った場所へと誘導して
自然と映った光景に私は死んでしまいそうになった
彼の裸は見た事がある
当たり前だ、肌を重ねて来たのだから
しかし、男性の象徴であるその場所をまじまじと……しかも間近で見る事等今までに無い事だった
あまりはっきりと知らなくても形が良いのだろうとわかるそれに私の手が触れている………
逃げ出そうにも重ねられた手は振りほどく事も出来ず震える身体
頭まで固定されてしまえば一応蓄えた知識で彼が何を指示しているのかは理解出来ても未知の領域に羞恥と戸惑いがキャパを超える
無力に淡々と迫る距離
「………っあ、あのイルミさん!……」
後少しの距離まで誘導されていた私はぎゅっと目を瞑ったまま叫んでいた