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ここは私達の世界です【HUNTER×HUNTER】続番外編

第21章 秋雨の時に







しかし



「あ、そう言えば今回は沙夜子が好きなように動いてって話だったね。」


首筋を擽る様に呟かれた台詞に心音はドキリと大きく跳ねた


…………確かに彼は以前肌を重ねた際にそんな事を言っていた

無我夢中な中での薄い記憶が呼び起こされて私は唖然と目を見開いた


ニヤリと歪んだ意地悪な唇



「ごめんごめん、すっかり忘れていたよ、今回は沙夜子がリードしてくれるんだった。」



先程迄逃がすまいと私を拘束していたのは全てパフォーマンスだったと言うように

サラリと身を引いた彼は以前の発言を微塵も忘れていなかったのだ



突然訪れた自由とは裏腹な難題



一層強くなった雨足



「だから戸惑ってたんでしょ?早く言ってよ。」


なんて白々しく言いながらシャツを脱ぎ払った彼は煌々と照らす室内灯もそのままに見事な肉体を披露して


テレビのワイドショーから不釣り合いな笑い声が流れる


未だ事態が飲み込めずゆるゆると上体を起こした私は一体どんな顔をしているのだろう


「さ、沙夜子の好きにして?」


脱力したままの私の手を取った彼は妖艶な眼差しを向けたまま、その逞しい胸板へと指先を誘った






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