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ここは私達の世界です【HUNTER×HUNTER】続番外編

第21章 秋雨の時に





実家へお土産を渡して愛しのライオネル親方を連れ帰ったのは昨日の事

私達は久しぶりに交代で入浴して2つ並んだ布団で眠った



カラカラと回る回し車の音が耳を擽るだけで思わず頬が緩んでしまう

毎日弟から送られてくるライオネル親方の様子を画面越しに眺めながらずっと会いたい!と思っていたので昨夜はめちゃくちゃモフってやった


…………あぁ、我が城(賃貸)に帰って来たのだ…………!!!!




似合わない小さなちゃぶ台に頬杖を付いた彼はじっとテレビ画面を見据えていて

私はニヤニヤしながらも色違いのマグカップをリビングへと運ぶ


「………ありがとう。」


「はい!」


ぼんやり動いた彼の唇にドキリとしながらも穏やかな時が流れる平和な昼下がり………


やっぱり……やっぱり私は何気無いこんな時間が大好きなのだと実感する


カップに視線を落とせばミルクティーとコーヒーが隣同士で湯気を上げていて

ちゃぶ台にそっと置いてから添えたままだった手を離そうとした瞬間


「あ、ごめん。」


彼の指先が手に触れて私の鼓動は急速に跳ね上がった

さっと手を膝に引き戻しながらも思わず顔を上げれば此方を見ていた猫目がちな瞳は普段通り涼しいものだったけれど

咄嗟の謝罪から彼は特段私に触れる気等無かったのだとわかった


何故か広がる沈黙に窓を叩く秋雨が響いて思わず俯けば

コトリとカップを持ち上げる音が大きく聞こえる


本当に些細な触れ合い

それも偶然に彼の指先が手の甲を撫でたくらいの小さな事故

それなのに私は簡単に動揺を誘われて頬に熱を感じる

…………考えてみればかなりベタな接触だ………

少女漫画とかでよく見る本棚で同じ本に手を伸ばしたとか……本当にそんな感じの

成る程………少女漫画のベタが実際に起きるとかなりドキドキするものなのだと深い発見をしながらも

今度は馬鹿みたいに動揺し過ぎてしまった自分が恥ずかしくなった

妻だなんだと胸を張っていながらも私は未だこの様なのだ

果たして私が彼に慣れる日等来るのだろうか…………


なんて思考がぐるぐると巡っていたその時


目の前に落ちた影に視線を上げた私は金縛りに合った気分だった


捕食者の鋭い眼差し

漆黒の奥に揺れる欲望


私の肩をガシリと掴んだ彼は固まる私をそのまま組み敷いてしまったのだ




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