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ここは私達の世界です【HUNTER×HUNTER】続番外編

第20章 食事の合間のお喋りは







全く現実味の無い夢が自分の身にぐっと近付いて

それでもまだ現実味の無い不思議な気分

だけど其れは心底温かく幸せなものだった

異世界のハネムーンでアキホさん達と勝手に比較し、無い物ねだりに涙した私の気持ちが報われた様な気がして……

フワフワする頭にもどかしく言葉は空回りして、それでも必死に胸の内を伝えようと口を開く私に

彼は微笑みながら人差し指を立てて「静かに」とジェスチャーをした



「子作りは計画的に色々考えないとね、二人で考えよう。」



あまりにも淡々とした声色に似合わない台詞

真っ赤な顔で涙ぐんでいる私はきっととびきり情けない表情のまま笑ったのだろう




…………その後の事はよく覚えていない



実に幸せな食卓だった


食事の席で何気無く交わされる会話は時に大切で凄く温かい



喜びと彼への緊張からアルコールをこれでもかと煽った私は


黒い瞳と艶やかな長髪美しい彼がまるで血液を飲む様にワイングラスを傾ける姿に魅了され続けた



肌寒い風が火照った身体に心地好く私は夢でも見ている気分で夜空を見上げて


この時私が背伸びして自ら彼へとキスした事は、自身にしては大胆過ぎた


ジャケットを掴まれて屈んだ彼の端正な唇は人間らしい柔らかさで

少し驚いた様に目を見開く彼の麗しき姿を朧気に思い出した翌朝………



「おはよう。」



「おはようございます………………、あっ」


「……………。」


「キャーーーーーーーーー!!!!すみません!!!私酔ってて………ち、ちゅうなんか…………」


「何を今更………。」


「ふああああああああああああああああああああああッ!!ごめんなさい!!」


「………朝から元気だね、もう一度してごらんよ。」


「…………っキャーーーーーーーーーッ!!!!」


「………沙夜子にはまだ無理か。」



鶏もびっくりの奇声騒ぎへと繋がるのであった……………








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