ここは私達の世界です【HUNTER×HUNTER】続番外編
第3章 野菜炒めとシンパシー
「…………ん、っ………」
彼の感覚を知る身体が過敏に反応して容易く上がる呼吸
その間にも時折彼の吐息が吹き込まれるだけでクラクラとして
どれだけそうされていたのか
…………キッチンでこのまま彼に………
なんて考え始めた欲に忠実な思想により熱を帯びた身体
そして耐え切れずに漏れる甘ったるい声
しかし彼はちゅっとリップ音を立てると私を解放し
「焦げてるよ。」
なんて淡白に放ったのだ
正直最初から今この時も何が起きているのかさっぱりわからない
ポカンとしたまま後ろを振り返ればコップにお茶を注ぎ入れる彼の姿に益々困惑してしまった
「…………あの………イルミさん……?」
………一体どういうつもりで…………
なんて続く筈だった台詞
……しかし……………
「何?」
再び此方に視線を向けた彼があまりにも妖艶に瞳を細めるものだから言葉は喉の奥に詰まってしまって
「もしかしてその気に成った……訳ないよね?」
ひどく意地悪な台詞を紡ぎながら全てお見通しとばかりの眼差しを向けるなんて彼はサディストに違いなく
小さく首を振った私を前に悪戯に唇を歪めた彼はその長い黒髪を靡かせながらキッチンを去って行った