第20章 食事の合間のお喋りは

新婚旅行【長野県編】3



10月01日



風邪を引いていたのはその日の夕方までだった

………今思うに前日の激昂からの知恵熱だったのだと私は思っている

彼から甘く激しいキスを頂いたけれど依然彼は健康体だ

未だ不意に思い出してはドキドキが止まらない私だったがそれ以降彼は実に淡白である…………




さて、ビーナスラインなる信州高○の絶景ドライブスポットを駆け抜けた私達
○樺湖、車山、○ヶ峰等のリゾート地を通り過ぎるドライブは最高に気持ちの良いものだった

日本有数のスカイルート何て呼ばれている通り、どこまでも空が広かった

長野県には高い山が多いけれどここでも高山で見た植物をチラホラ見掛けたり、木々の覆う森林では無くて見晴らしのいい高原の風景は海外かと見間違う日本離れした風景だった

きっと真夏なら青々とした空と緑が眩しいに違いないけれど少しずつ紅葉に色付き始めた高原もそれはそれでノスタルジックな雰囲気だ

お気に入りのCDを流して窓を開ければ冷たい風が頬を撫でて秋の気配を強く感じたりした




そして翌日の今日、彼が選んだ観光プランは驚く程女性に嬉しいデートプランだった


実の所、この旅に出る前に立ち寄る県は決めていたし、目ぼしい観光地はピックアップしていたけれど全てが正確な訳では無く

大体のスケジュールは前日の夜、私のリクエストと彼の吟味により決まっている

つまり最終決定を下すのは家計簿から運転迄マルチにこなす彼なのだ


結局ワイナリーは行けず仕舞いだがその埋め合わせも本日に、と彼は言った

私の体調不良なのだから彼が埋め合わせる事は無いのだが素直に甘えてみる事にして




それよりも前日の熱いキッス…………………


あの時確かに彼は男性の顔をしていた



つまり…………デートっぽいプランの後に………………なんて悪い企みがあるのではなかろうか

紳士的な彼だからこそ昨夜はゆっくりと休ませてくれたのだろうし

彼にならイタズラされてもいい…………寧ろ宜しくお願いしますなんて言ってみたり…………きゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー！！！！！！！！！