第19章 彼と私のヒトコマ

彼は合理的な人だし別に私をひもじい気分にしたい訳じゃないだろう

だけど私は味気無いお粥を必死にかき込み本当に楽しみにしていたパンが消え行くのを感じながら消費に追われていたのだ


本当に食べたい物が目の前にありながら………………


ツナと玉子のフワフワコッペサンド……………………


モグモグと口を動かせばバナナ臭くて何だか……………



謎のツボにハマってしまった




「………っふふふふそうなんですね！」



何故かクリクリと大きな瞳で私を見詰める彼

大量の食べ物………それ等を必死にかき込む私

よくわからない所でよくわからない発言をする彼

消えたパン

バナナ臭い私



「あははははははははははははははははははっははははははははははは」


「………沙夜子の感情の起伏が解らないよ。」


「あはは、それはイルミさんの方ですよ！あはははははは」


「……………。」


何が、と言われてもわからないがとにかく何だが可笑しくて私の笑い声はハイエースの中に響いた