• テキストサイズ

ここは私達の世界です【HUNTER×HUNTER】続番外編

第18章 変わり行く心模様








絶え間無く零れる涙が情けないやら何やらで更に泣けてくる




「わかってるんです"!!すみませっ……ん……独占欲なんです!!嫉妬もしました………ぅっ……わかってるけど………」


「……………。」



私は彼に強くあたっているのに彼は優しく私の肩を抱くとあやす様にベンチへ誘う



まるで子供みたいだ


鼻をグズグズと鳴らしてしゃくり上げている私は只我が儘に駄々をこねているのだ


私は自分の感情も儘ならない中で思い切り彼に甘えているのだと思う

心底愛しくなければ泣けるくらい怒る事等きっとありはしない

そして彼はそんな不安定な私をはぐらかしたりせずに真正面から受け止めてくれていた


我が儘で貪欲で……彼に負けず劣らずの束縛人間だと自分を見詰めた私は今、酷く情けない気分だ

それでもひとつひとつ気持ちを整理する様に紡ぐ声




「わかってても……ほんまに嫌やったんです……うぅ"………っ」


「うん。」



「ここが……イルミさんの世界やったら……っイルミさんはあの人達と話しもしないんでしょ」


「うん。」


「でも………グス………っ……私の世界やから仕方なく話してたんですよね?」


「うん。」


「でもあの人達イルミさん"の事狙ってたぁああ"あっうああ!!」


「…………。」


「わがままで………っごめ"んなさい……私他の人がイルミさん狙ってるって思ったら不安で………」


「うん。」




彼はそんな私の拙い言葉を否定する事無く只静かに相槌を落とし続けた

いつもの淡々とした物とは違い、散らかった気持ちを私と一緒に組み立てる様に落ち着いた声色


支離滅裂に泣き続ける私を人目も憚らず受け止めてくれる彼の態度は私に安らぎと安堵を与えて

心底私の気持ちに寄り添ってくれているのだと感じさせた



………………あぁ、私は幸せ者だ



全てが見えなくなってしまうくらい世界で一番大好きな人

それだけ容易に感情を揺さぶられる大切な人


彼を好きになって良かったと誇らしく思う

そして彼もまた私を愛してくれて本当に幸せだ……………



ドロドロとした感情で溢れていた胸の中に彼がくれた暖かい鼓動が巡り始める






/ 342ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp