第18章 変わり行く心模様

私は頭脳と心に感じたものの丁度真ん中を探す事にした



頭『彼は彼女達に全く気がなく仕方がなく対応しているだけ』
心(誰なの貴女達！！！イルミさんに近寄らないで！！！イルミさんも対応しないでよ………)



じっと静観しながら相手の証言を分析する





奈良県からやって来た女子大生三人組恋人無し


チラリチラリと値踏みする様な視線を受けながらも私も負けじと彼女達を見遣る


薄く染まった頬とうっとりとした瞳は私にも通ずる乙女の表情

中でも彼にグイグイと声を掛けている巻き髪の女の子は私を格下と見たのか此方を見ようともしなくなった



………私はまるで透明人間みたいだ




………………………………なんて怖じ気付くとでも思っているのか………？



彼は常に魅力で満ちている


今回は想定していなくて動揺してしまったが次回は無い


彼に目を付ける女豹は今後もごまんと出てくるだろう……………



負けない…………私は負けないッ！！！！！！


大好きな彼の隣を私はこれからも死に物狂いで守ってみせようじゃないかッ！！！！！



そして何より彼女達が可愛らしいとは言え絶世の美女ランさんに勝利した経験は私を勇気付けていた





何より…………彼女達の語る恋人の次元に私はいない


私は彼の妻なのだ…………ッ！！！！！！！



パワーワード…………パワーワードじゃないかこれは？！？！？！


私は彼の妻で、彼は私の旦那さん……そう事実を確認するだけでふつふつと煮え滾るこのパワーは何だろう





彼の気持ちにどうこう変化があるとは正直思っていない…………

なんて余裕を見せておきながらも彼女達の向ける色めいた視線が嫌なのだからどうしようもない


これは私の気持ちの問題で私と彼女達の勝負なのだ！！！！！




なんて脳内で闘志を打ち震わせながらも私は静かに息を吸い込んだ


彼女達の猛攻から彼を取り戻す作戦として私達にしか理解出来ない話題を彼に振り、そのまま私達が会話を続けてしまえば流石に口出し出来ないだろうと考えた


私の妻としてのプライドは嫉妬心と独占欲にメラメラと燃え上がり



(よっしゃ小娘達よ………かかって来いやッ！！！！！)




ゴングが脳内に高らかと響き渡り