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ここは私達の世界です【HUNTER×HUNTER】続番外編

第18章 変わり行く心模様







クリアボートの定員数を待つ間


彼女達は代わる代わる彼への質問を繰り返し、自身達が何処からやって来たのか普段は何をしているのか更には恋人の有無を語った


彼はその度に眉を潜めて鬱陶しそうにはしているものの無視する事は無かった



何故……………………?


普段なら彼は他者の接触を嫌い有無を言わさず黙らせる筈だ


店員さん相手にすら必要最低限しか話さないのに



私の脳裏を過る沢山の記憶…………



だけど今も目の前で繰り広げられる会話に彼の言葉が途切れる事は無かった


変わらず質問に答えはしないし素っ気ないものの唇を開いて「しつこい」「興味無い」と確かに彼女達に言葉を発している

かなり一方的で会話らしい会話では無いと頭で理解していても


何故彼が彼女達に言葉を……?という純粋な疑問と普段に無い非日常的な光景に私は酷く動揺していた


頬を染めて嬉しそうにはしゃぐ彼女達は完全に女の顔をしていて

彼の声が響く度にモヤモヤと黒い感情が立ち込める



彼が言葉を投げ掛ける相手は本来私の筈で……

彼女達は普段なら遮断されている筈の他人じゃないか



………………私はどうやら私以外の異性へ彼が声を発しているだけで嫌なのだ


驚く程幼稚で心の狭い独占欲と嫉妬心

私は彼の事を何も言えないなぁとぼんやり思う


彼の反応から何の気も無いにせよ彼女達は明らかに彼を男性として魅力的に感じ、あわよくば関係を持ちたいと思っている


私の目にも明け透けな態度に彼ならば気付いている筈なのに…………


ぎゅっと握り締めた手がジンジンと痛い



「身長高~い!何センチですか?」

「髪も長くて綺麗ですね~」

「格好いい~!」


「本当しつこい。」



私は存在を認識されながらも静観を貫き暫くの間記憶を遡った



……………何故彼は……………


いつもなら……………



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