ここは私達の世界です【HUNTER×HUNTER】続番外編
第17章 過保護さんと動揺
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レストランでは朝食にぴったりのパンケーキも提供していて私は甘いシロップの味わいを優雅に堪能した
食事は目から、なんて聞くけれど美しい風景を眺めながらの食事はとても特別に感じて
朝食と言うにはガッツリとしたビーフカレーを綺麗に完食した彼も何処か満足そうに見えた
店を出ると頬を撫でる風はひんやりと体温を冷やして高く高く吹き抜ける
今が見頃だという千畳○には始発でやって来た私達の後にも沢山の観光客が次々に押し寄せていた
紅葉に燃える高原を40分掛けて一周出来る遊歩道ではお友達同士らしき人や年配の御夫婦何かが賑やかに談笑しながら散策を楽しんでいる
私達はそんな人々越しにぼんやりと風景を眺めて岩肌に腰掛けていた
本当は私も大好きな彼と共に遊歩道を散策したいと考えていたのだが、それはよした方が良いと彼に止められてしまったのだ
理由としては、舗装されていない為に足場が悪い事……そして…………
「標高が高いと酸素が多少薄いから疲労し易い環境だし、沙夜子は貧弱だから寝込むかもしれない。」
との事である
要約すると酸素の薄い高山でアクティブに動くと身体を壊すぞ、と言いたいらしい
…………流石に過保護過ぎやしないだろうか
確かに私は体力に自信が無いけれどロープウェイから散る人々の半数程は普通に散策している
いや、それだけ大切にされていると思えばニヤニヤしてしまうし胸がキュンとするけれど…………
私は遊歩道へ歩いて行くお婆さんの背中を見送りながら再び彼を見上げた
「………あんなお婆さんも大丈夫なんですよ?私だって……」
「あの婆さんは沙夜子より強いから長生きしてるんだよ。だから平気なんだ。」
「うそぉ?!あのお婆さんの事知らへんでしょ?!」
「知らないけど長生きしているという事は生存競争で勝ってきたって事だろ。」
「………そんな野生動物みたいな……」
「人間の場合は主に病原菌かな、体内の常在菌が優れているんだろう。」
「……………」
………………そんな真面目な顔で言われても………………
納得した様なしていない様な微妙な気持ちのまま小さくなって行くお婆さんの背中を見送る