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ここは私達の世界です【HUNTER×HUNTER】続番外編

第16章 星降る夜の私達







列に並びいよいよ私達の番



「めっちゃドキドキしてきました!」


「まだ15分はゴンドラの中だよ。」




10人乗り、と想像より縦長の小ぢんまりとしたゴンドラに揺られてゲレンデへ出発


小さなモニターからは世界観をそのままに「この辺りを飛行中」なんて宇宙の映像が映し出されているけれど…………


……………暗い…………………


ゴンドラにはモニター以外の明かりは無く、更に山間を行くので辺りに街灯はひとつも無い

本当に真っ暗なのだ

進行方向がどうなっているのか目を凝らしてみても暗闇ばかりが映り

ワクワクとちょっぴりの恐怖心が混ざる


私を窓際にして隣に座った彼へチラリと視線を向ければ
ぼんやり薄明かりに浮かぶいつもの無機質な横顔に安堵を覚えて

ちょっぴり膨らんでいた恐怖心は引っ込んで、途端に脳内妄想が広がり始めた



ゴンドラ………暗闇………星空………



…………………これは中々良いかもしれない……………


暗いゴンドラに揺られた後、待つのは満天の星空…………

ロマンチックじゃないか…………


行く先が見えないゴンドラだって既に非現実的な空間なのだ

ラブラブなカップルや新婚さんなんて盛り上がらない訳がない


そしてそれは私達も例外ではない!!!!!!!




……………これは少々怖がっているフリをしてイチャイチャしても許されるやつなのではないか…………?!?!



灯りが無くて本当に良かった。


でなければ悪巧みしている悪代官みたいな気味悪いニヤニヤ顔で周囲を怯えさせてしまっていただろう…………



このゴンドラ、先程から登るだけでなく時折降下したりと予測不可能な動きをするのだ




私はその時を虎視眈々と待ち


ガタリとゴンドラが降下した瞬間に思い切って彼の腕に抱き付いた





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